足立 聖  修士論文:高次精度仮想流束法による格子ボルツマン法の物体界面処理に関する数値解析
研究概要

 懸濁液流れは身近なところに多く存在し,そのレオロジー特性の解明は,幅広い分野に関する重要な課題である.粒子-粒子間および粒子-流体間の相互作用を考慮した懸濁液流れの数値解析では,粒子界面の処理方法が重要な要素であり,これまで多くの方法が開発されてきた.代表的な滑りなし条件の処理方法として,Immersed boundary method(IBM)やInterpolated bounce back scheme(IBB)が挙げられるが,それらの代わりとなり得る手法としてVirtual flux method(VFM)が提案された.本研究では,VFMにおけるノイマン境界条件に着目し,VFMを他の代表的な手法と比較した.テストケースとして,固定円柱周り流れおよび慣性力を受けて流下する粒子の数値解析を行い,懸濁液流れにおいて粒子の界面処理法の考察を行った.その結果,ノイマン境界条件による圧力の補間精度が可変であることが示された.懸濁液流れにおいて,VFMおよびIBBは,IBMより高濃度まで計算が可能であること,計算時間が削減されることが示された.

研究業績等

 【卒業論文】

 “格子ボルツマン法における仮想流束法と埋め込み境界法を用いた界面処理方法の考察”,京都工芸繊維大学,2022年2月.

 

 【修士論文】

 “高次精度仮想流束法による格子ボルツマン法の物体界面処理に関する数値解析”,京都工芸繊維大学,2024年2月.

 

 【学術論文】

  1. Hijiri Adachi, Tomohiro Fukui, and Misa Kawaguchi, "Comparative study of boundary treatment schemes in lattice Boltzmann method", Journal of Fluid Science and Technology, vol. 19, no. 3, 0025, pp. 1-20, 2024.

 

 【国際会議発表】

  1. Hijiri Adachi, Tomohiro Fukui, Misa Kawaguchi, and Koji Morinishi, "A Comparative Study of Virtual Flux Method and Immersed Boundary Method for Interface Evaluation by Lattice Boltzmann Method", 33rd International Conference on Parallel Computational Fluid Dynamics (Parallel CFD 2022), Alba, Italy, 25 - 27 May, 2022, Conference proceedings, 42, pp. 1-4.

 

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