内尾 茉香  修士論文:肺気道の幾何学的特徴が流入抵抗に与える影響の数値解析
研究概要

 慢性閉塞性肺疾患をはじめとする呼吸器疾患では,疾患の診断のために肺気管支の流入抵抗を推定することが重要である.しかし,肺は変動性に富んだ構造であるため,詳細な流れの特性を理解するためには,幾何学的な特徴が流入抵抗に与える影響を評価する研究が必要である.本研究ではCost function (CF)を圧力損失を知る指標として導入し,肺気道の幾何学的特徴が流入抵抗に与える影響を数値解析によって調べた.基礎研究として,1分岐の単純な肺モデルを解析し,分岐角度による流入抵抗とCFの関係性を調査した.その結果,分岐角度が30度以下のモデルでは,分岐角度が小さいほど流入抵抗は高くなり,CFと流入抵抗は正の相関が見られた.分岐角度が50度以上のモデルでは,分岐角度が大きいほど流入抵抗は高くなり,CFと流入抵抗は正の相関が見られた.双方でCFと流入抵抗には正の相関があり,CFの肺気道における圧力損失の評価指標としての適用の可能性が示唆された.

研究業績等

 【卒業論文】

 “カテーテル遠隔操作速度と安全性の研究”,香川大学,2021年2月.

 

 【修士論文】

 “肺気道の幾何学的特徴が流入抵抗に与える影響の数値解析”,京都工芸繊維大学,2023年2月.

 

 【国際会議発表】

  1. Mako Uchio, Tomohiro Fukui, Misa Kawaguchi, Kanako Kuroyanagi, Yurie Seto, Yoshiko Kaneko, and Koichi Takayama, "Fundamental Study on the Airflow in the Patient-specific Lung Models by AcuSolve", Euro-Global Conference on Biotechnology and Bioengineering, on-line, 6 - 8 September, 2021, Conference proceedings, p. 17.

 

Memberのページに戻る

 

トップページに戻る