懸濁液のレオロジー特性は様々な分野において重要である．特に，粒子の分散状態は懸濁液のレオロジー特性を構成する要素の1つであるが，流路の微細構造による粒子の分散については不明な点が多い．そこで本研究では，流路の微細構造として流路壁面の凹凸に着目した．流路の微細構造が粒子の流動挙動に与える影響を明らかにすることを目的とし，正規化格子ボルツマン法および仮想流束法を用いて，壁面に凹凸を有する平行平板間を流下する単一の剛体円形粒子の解析を行い，流路壁面の凹凸の性質と粒子の流動挙動および相対粘度の関係を調査した．その結果，流路壁面の凹凸は粒子の流動挙動に影響を及ぼし，凹凸の性質によって粒子は異なる挙動を示すことが確認できた．また，相対粘度も凹凸の性質によって異なる結果を示し，相対粘度は凹凸の性質と粒子の回転が密接に関係している可能性が示唆された．