山内 紘平  修士論文:小型昆虫の飛行における胴体の有無と翼幅方向湾曲による流体力学的効果の数値解析
研究概要

 昆虫の飛翔は低レイノルズ数域において非常に高性能であるため,その飛行メカニズムに関する研究は数多く行われている.しかし,羽ばたき運動の複雑さと流体運動の非線形性から翅の柔軟性の影響や飛行安定性など未解明な部分も多く残されている.特に翅の変形は昆虫飛翔の根幹である渦構造が変化するため入念な調査が必要である.本研究ではまず羽ばたきホバリング飛行解析を行い,羽ばたき運動により翅に作用する流体力が大きく振動することがわかった.また,飛行メカニズム解明において,要因を分離した調査が統合的な理解につながると考え,羽ばたき運動の単純化の一つである回転翼解析を用いた解析も行った.その中で,翅の翼幅方向変形能に着目し,複数のアスペクト比における翅の翼幅方向の湾曲に関する調査を行った.結果として,翅に翼幅方向湾曲を持たせることで翅のアスペクト比によって揚力係数が増加,抗力係数が減少することがわかった.

研究業績等

 【卒業論文】

 “昆虫の羽ばたきを想定した二次元翼における8の字運動の影響に関する数値流体解析”,京都工芸繊維大学,2018年2月.

 

 【修士論文】

 “小型昆虫の飛行における胴体の有無と翼幅方向湾曲による流体力学的効果の数値解析”,京都工芸繊維大学,2020年2月.

 

 【国際会議発表】

  1. Kohei Yamauchi, Tomohiro Fukui, and Koji Morinishi, "Numerical Simulation of Influences of the Body's Presence on flow around the Wings in Insect Flapping Flight", ASME-JSME-KSME Joint Fluids Engineering Conference 2019, San Francisco, USA, 28 July - 1 August, 2019, Conference proceedings, 5176, pp. 1-8.

 

 【国内会議発表】

  1. 山内紘平,福井智宏,森西晃嗣,“昆虫の翅形状および羽ばたき運動が飛行性能に及ぼす影響の数値流体解析”,日本機械学会 関西支部 第94期定時総会講演会,DVD-ROM,草津,2019年3月.
  2. 山内紘平,福井智宏,森西晃嗣,“昆虫の羽ばたき運動を想定した二次元翼周り流れの数値解析”,日本機械学会 関西学生会 平成29年度学生員卒業研究発表講演会,p. 5-11,寝屋川,2018年3月.

 

 【受賞】

  1. 学長表彰,京都工芸繊維大学,2018年3月.

 

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