松井 隆典  修士論文:新サボニウス型風車の補助ブレードが出力係数に与える影響の数値解析
研究概要

 サボニウス型風車が低出力である理由は,戻りブレード期間での負トルク生成により,1周期でのトルク係数の変動が大きくなっているためである.そこで,メインブレードとの相互作用により,1周期を通して正トルクのみを生成し,風車全体のトルク係数の変動を抑えることが期待できる,補助ブレードつき新サボニウス型風車を考案した.その風車の補助ブレード形状が風車性能に及ぼす影響について調査するため,ブレード形状の表現には仮想流束法を,流体計算には正規化格子ボルツマン法を用いて行った.その結果,新風車の補助ブレードは進みブレード期間では正トルクを生成する一方で,戻りブレード期間ではメインブレードとの相互作用により負トルク生成が抑制され,風車全体の性能向上に寄与することがわかった.この新風車の最大出力係数は,従来の半円筒風車と比較して約75.2%改善することがわかった.

研究業績等

 【卒業論文】

 “Myring方程式形ブレードを用いたサボニウス型風車の数値流体解析”,京都工芸繊維大学,2018年2月.

 

 【修士論文】

 “新サボニウス型風車の補助ブレードが出力係数に与える影響の数値解析”,京都工芸繊維大学,2020年2月.

 

 【学術論文】

  1. Takanori Matsui, Tomohiro Fukui, and Koji Morinishi, "Computational Fluid Dynamics on a Newly Developed Savonius Rotor by adding Sub-buckets for Increase of the Tip Speed Ratio to Generate Higher Output Power Coefficient", Journal of Fluid Science and Technology, vol. 15, no. 2, 0009, pp. 1-16, 2020.

 

 【国際会議発表】

  1. Takanori Matsui, Tomohiro Fukui, and Koji Morinishi, "Computational FLuid Dynamics to Assess the Blade Effect of a New Savonius Rotor for Improvement of the Out Put Power Coefficient", ASME-JSME-KSME Joint Fluids Engineering Conference 2019, San Francisco, USA, 28 July - 1 August, 2019, Conference proceedings, 5001, pp. 1-8.

 

 【国内会議発表】

  1. 松井隆典,福井智宏,森西晃嗣,“新サボニウス型風車の補助ブレードの違いが出力係数に及ぼす影響の数値解析”,第33回数値流体力学シンポジウム,USB memory,札幌,2019年11月.
  2. 松井隆典,福井智宏,森西晃嗣,“サボニウス型風車に付加した補助ブレードが出力係数に及ぼす影響の数値解析”,日本機械学会 関西支部 第94期定時総会講演会,DVD-ROM,草津,2019年3月.
  3. 松井隆典,福井智宏,森西晃嗣,“出力係数の周期変動安定性を目指した新形状サボニウス型風車の数値流体解析”,日本機械学会 第96期流体工学部門講演会,(USB memory),室蘭,2018年11月.
  4. 松井隆典,福井智宏,森西晃嗣,“サボニウス型風車の最適設計に向けた基礎研究”,日本機械学会 関西学生会 平成29年度学生員卒業研究発表講演会,p. 2-1,寝屋川,2018年3月.

 

 【受賞】

  1. 三浦賞,日本機械学会,2020年3月.

 

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