磯部 佳明  修士論文:仔魚の運動パターンの差異および膜ひれの存在が推進性能に与える影響の数値解析
研究概要

 水棲生物は高い遊泳性能を持つことが知られている.そのため,新たな自律型水中ロボットの推進機構として採用されることが期待されている.近年の研究では水棲生物の遊泳運動の解明に向けて高速魚に着目しているものが多い.一方,仔魚は単純な体軸運動と一続きの膜状のひれである膜ひれのみで高い推進性能を有しているものの,仔魚を対象とした研究はあまり行われていない.そこで,本研究では数値シミュレーションを用いて仔魚の体軸運動の差異および膜ひれの存在が推進速度や推進効率,姿勢の安定性といった推進性能に与える影響についての調査を行った.その結果,仔魚の体軸運動時の節の位置や波長が推進速度と推進効率に影響を及ぼすことがわかり,最適な節の位置や波長を選定することで目的に適した推進運動を実現することが可能であると考えられた.また,膜ひれの存在は後流の渦構造を大きく変化させ,より速く,高効率で安定した推進運動を実現するために必要であることがわかった.

研究業績等

 【卒業論文】

 “オタマジャクシの遊泳運動を模擬した物体の振幅および周波数が遊泳性能に与える影響についての数値解析”,京都工芸繊維大学,2018年2月.

 

 【修士論文】

 “仔魚の運動パターンの差異および膜ひれの存在が推進性能に与える影響の数値解析”,京都工芸繊維大学,2020年2月.

 

 【国内会議発表】

  1. 磯部佳明,福井智宏,森西晃嗣,“魚の形態および運動が推進性能に及ぼす影響についての数値流体解析”,日本機械学会 関西支部 第94期定時総会講演会,DVD-ROM,草津,2019年3月.
  2. 磯部佳明,福井智宏,森西晃嗣,“ウナギ型推進する小型遊泳物体周り流れの数値解析”,日本機械学会 関西学生会 平成29年度学生員卒業研究発表講演会,p. 4-5,寝屋川,2018年3月.

 

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