佐藤 優輝  修士論文:微小循環における赤血球挙動が流体抵抗に与える影響の数値解析
研究概要

 血液の主要な細胞成分である赤血球は,血管内を流下する際に様々な運動・変形をみせる.その流動する赤血球の挙動や形状は,流れの速さや赤血球の物性値,あるいは血管内径の大きさ等あらゆる要因に依存する.特に,微小循環においては赤血球の大きさが血管内径に対して相対的に有意となるため,個々の赤血球の挙動が血流動態に及ぼす影響は大きくなる.そこで本研究では,キャピラリー数を導入して流体の粘性と赤血球膜の弾性との相対関係を表し,赤血球の挙動が流体抵抗に与える影響やそれらの挙動と血液のレオロジー的性質との関係性について調べた.微小血管内を流下する赤血球の数値解析には,格子ボルツマン法,仮想流束法およびSpring network modelを用いた.結果として,キャピラリー数によって,赤血球の最終的な挙動や形状および血液粘度の分布は主に3つの領域に分類され,赤血球挙動が流体抵抗に及ぼす影響や血液レオロジーについての基礎的な知見が得られた.

研究業績等

 【卒業論文】

 “仮想流束法を用いた微小血管内における赤血球流れに関する基礎研究”,京都工芸繊維大学,2017年2月.

 

 【修士論文】

 “微小循環における赤血球挙動が流体抵抗に与える影響の数値解析”,京都工芸繊維大学,2019年2月.

 

 【国内会議発表】

  1. 佐藤優輝,福井智宏,森西晃嗣,“微小循環における赤血球挙動と血液レオロジーに関する数値解析”,第32回数値流体力学シンポジウム,USB memory,東京,2018年12月.
  2. 佐藤優輝,福井智宏,森西晃嗣,“微小循環における赤血球の流動挙動と血液レオロジーとの関係性についての数値解析”,日本機械学会 関西支部 第93期定時総会講演会,p. 624,寝屋川,2018年3月.
  3. 佐藤優輝,福井智宏,森西晃嗣,“仮想流束法を用いた微小循環における赤血球流れに関する基礎研究”,日本機械学会 関西学生会 平成28年度学生員卒業研究発表講演会,p. 8-10,大阪,2017年3月.

 

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