安田 洋亮  修士論文:胸部大動脈における流れの拍動性が血行力学因子に与える影響の数値解析
研究内容

 胸部大動脈にはその複雑な内部流れに起因する血行力学的因子の局在化により,動脈硬化や動脈瘤の好発部位が存在する.この局在化は,胸部大動脈の複雑な流路形状や,流入の非定常性など多くの要因により生じると考えられる.そこで本研究では流入条件に着目し,胸部大動脈内流れの拍動性が血行動態に与える影響を調査した.その結果,拍動流では収縮初期において慣性力の影響が小さく,その履歴が最大流入時まで影響するため,定常流と比較して速度のかたよりおよび二次流れが抑制された.それにより,弓部内壁でのWSSの低下が確認された.また,拍動流解析においてOSIを算出すると,下行部において低WSSかつ高OSIとなり,動脈硬化のリスクが高まることが示唆された.さらに大動脈弁モデルを用いて,弁の有無が血行動態に与える影響を調査した.その結果,収縮初期においては弁近傍で流れの縮流および剥離が生じたが,1周期全体では大きな差異は確認できなかった.

研究業績等

 【卒業論文】

 “胸部大動脈を模擬した二次元流路内流れの数値シミュレーション”,京都工芸繊維大学,2015年2月.

 

 【修士論文】

 “胸部大動脈における流れの拍動性が血行力学因子に与える影響の数値解析”,京都工芸繊維大学,2017年2月.

 

 【国内会議発表】

  1. 安田洋亮,福井智宏,森西晃嗣,“流れの拍動性が胸部大動脈内の血行動態におよぼす影響の数値解析”,第30回数値流体力学シンポジウム,USB memory,東京,2016年12月.
  2. 安田洋亮,福井智宏,森西晃嗣,“仮想流束法を用いた三次元胸部大動脈モデルにおける血液流れの数値解析”,日本機械学会 関西支部 第91期定時総会講演会,p. 400,大阪,2016年3月.

 

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