山中 拓己  修士論文:前後翅位相差がトンボの空力特性に与える影響の数値シミュレーション
研究概要

 本研究では,正規化格子ボルツマン法および仮想流束法を用いて羽ばたき運動するトンボ周りの流れの数値解析を行った.まず羽ばたき運動に関してピッチ運動を行わない場合(ピッチ角一定)とピッチ運動行う場合(ピッチ角が羽ばたき周期内で変化)の比較を行い,渦の形状や揚力,推力の違いについて考察した.その結果,ピッチ運動を行う場合,ダウンストローク時に生じる翅前縁から剥離する渦(前縁剥離渦)が翅表面に負圧を与え,揚力,推力を大きく上昇させていること,前縁剥離渦が翅のアップストローク時においても翅根上面に残り,揚力の低下を防いでいること確認した.さらに,4種類の前後翅位相差を与えた場合における渦形状,揚力,推力についてそれぞれ考察し,比較を行った.その結果,前後翅位相差が大きいほど,つまり前翅と後翅の相対速度が大きいほど,得られる揚力および推力が小さくなることを確認した.

研究業績等

 【卒業論文】

 “仮想流束法を用いた大動脈弓のモデリングと内部流れのシミュレーション”,京都工芸繊維大学,2012年2月.

 

 【修士論文】

 “前後翅位相差がトンボの空力特性に与える影響の数値シミュレーション”,京都工芸繊維大学,2014年2月.

 

 【総説・解説】

  1. 山中拓己,福井智宏,森西晃嗣,“小型飛翔機械の開発に向けたトンボの空力制御研究”,機能材料,Vol. 37,no. 11,pp. 44-55,2017.

 

 【国内会議発表】

  1. 山中拓己,福井智宏,森西晃嗣,“前後翅位相差に着目したトンボの空力特性評価”,第5回 生物の優れた機能から着想を得た新しいものづくりシンポジウム,USB memory,京都,2017年10月.
  2. 山中拓己,福井智宏,森西晃嗣,“小型飛翔体解析に対する格子ボルツマン法の適用”,第27回数値流体力学シンポジウム,USB memory,名古屋,2013年12月.
  3. 山中拓己,福井智宏,森西晃嗣,“格子ボルツマン法による高レイノルズ数流れの数値シミュレーション”,日本機械学会 関西支部 第88期定時総会講演会,p. 2-2,大阪,2013年3月.
  4. 山中拓己,福井智宏,森西晃嗣,“高レイノルズ数流れに対する格子ボルツマン法の適用に関する検討”,日本機械学会 第25回計算力学講演会,USB memory,神戸,2012年10月.
  5. 山中拓己,福井智宏,森西晃嗣,“仮想流束法を用いた大動脈弓内部の流れの数値シミュレーション”,第17回 計算工学講演会,Vol. 17(USB memory),京都,2012年5月.
  6. 山中拓己,福井智宏,森西晃嗣,“大動脈弓を模擬した内部流れの数値シミュレーション”,日本機械学会 関西学生会 平成23年度学生員卒業研究発表講演会,p. 9-14,吹田,2012年3月.

 

 【受賞】

  1. 学長表彰,京都工芸繊維大学,2012年3月.

 

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