北尾 卓也  修士論文:仮想流束法を用いた動脈分岐部における動脈瘤進展要因の検討
研究概要

 血管壁が局所的に拡張し,瘤が動脈に形成される血管病である動脈瘤は破裂した際に人体に深刻な影響を与える.動脈瘤は脳動脈や大動脈の分岐部,合流部および湾曲部に多く発現するといわれ,これらの部位では流れの急変や複雑性がみられるために,動脈瘤の進展には流体力学的因子が関与していると考えられている.中でも壁面せん断応力等が動脈瘤の成長に影響を及ぼしているという報告もあるが,動脈瘤の進展と破裂に至るまでのメカニズム等は明らかになっていない.本研究では動脈分岐部における血管について仮想流束法を用いて血流の数値シミュレーションを行った.結果として,動脈瘤好発部位の一つと考えられている血管分岐部近傍において壁面せん断応力の特異なパターンの存在が見られた.また,血管分岐部近傍に動脈瘤が存在するモデルにおいて,動脈瘤のネック部において特異的に大きな壁面せん断応力が生じることを確認した.

研究業績等

 【卒業論文】

 “鋼の応力-ひずみ関係に及ぼす予ひずみと炭素含有量の影響評価”,京都工芸繊維大学,2011年2月.

 

 【修士論文】

 “仮想流束法を用いた動脈分岐部における動脈瘤進展要因の検討”,京都工芸繊維大学,2013年2月.

 

 【国内会議発表】

  1. 北尾卓也,福井智宏,森西晃嗣,“仮想流束法を用いた動脈瘤の発生と成長の検討”,第26回数値流体力学シンポジウム,USB memory,東京,2012年12月.
  2. 北尾卓也,福井智宏,森西晃嗣,“動脈瘤発症部位における血管内部の数値解析”,日本機械学会 関西支部 第87期定時総会講演会,p. 10-19,吹田,2012年3月.

 

 【受賞】

  1. 学長表彰,京都工芸繊維大学,2011年3月.

 

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