上野 佑輔  修士論文:ウィリス脳動脈輪における血液流れの数値シミュレーション
研究概要

 本研究では格子ボルツマン法と仮想流束法を用いてウィリス脳動脈輪内の流動現象を数値シミュレーションにより再現することを試みる.基礎方程式にボルツマン方程式,境界面の再現には仮想流束法を用いた.格子ボルツマン法と仮想流束法を用いた計算コードの信頼性を二次元円柱周り流れ,三次元円管内流れ,球周り流れで検証した.内頸動脈疾患を模擬した解析を行い,末梢抵抗の変化による血流の調節が数値シミュレーションで再現可能であるかを検討した.血流の調節による流れ場および血管壁にかかるせん断力の変化を調べた.本研究で作成したウィリス脳動脈輪の簡易モデルにおいて,末梢抵抗の変化により血流の調節が為され生理的流量比が維持されることを確認した.ウィリス脳動脈輪が血流のバイパス的役割を果たすことを確認した.また,血管の分岐部や吻合部といった流れが複雑になるところで壁面せん断力が高くなることを確認することができた.

研究業績等
 【卒業論文】

 “脳血管疾患を伴うウィリス脳動脈輪の血流調節機構に関する数値シミュレーション”,京都工芸繊維大学,2010年2月.

 

 【修士論文】

 “ウィリス脳動脈輪における血液流れの数値シミュレーション”,京都工芸繊維大学,2012年2月.

 

 【国内会議発表】

  1. 上野佑輔,福井智宏,森西晃嗣,“ウィリス脳動脈輪における血流調節機構の検討”,第25回数値流体力学シンポジウム,USB memory,大阪,2011年12月.
  2. 上野佑輔,福井智宏,森西晃嗣,“ウィリス脳動脈輪における血液流れに関する基礎研究”,日本機械学会 関西支部 第86期定時総会講演会,No. 114-1,p. 4-17,京都,2011年3月.
  3. 上野佑輔,福井智宏,森西晃嗣,“格子ボルツマン法を用いたウィリス脳動脈輪の血流調節機構に関する基礎研究”,日本機械学会 2010年度 年次大会,No. 10-1,Vol. 6,pp. 119-120,名古屋,2010年9月.

 

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