本研究では，流体中に粒子を含む微小流路内の流れを想定して，微小流路内の流れ，および流体力を受けて流れる粒子の挙動を解析する．基礎方程式には，連続の式と二次元非圧縮性ナビエ・ストークス方程式を用い，解法には擬似圧縮性解法を，空間の離散化には三次精度Weighted ENO法，擬似時間の内部反復にはLU-SGS法を用いた．また，重畳格子法を粒子の移動に適応させ，格子を再形成することなく移動物体周りの流れを解析する．その結果，平行平板間で重畳格子法によって表現された粒子が，ポアズイユ流から受けた流体力で回転しながら壁面から一定の一を保ち，流下する様子を確認することができた．また，粒子の壁面からの平衡位置が，粒子の直径，粒子の回転に依存し，レイノルズ数，粒子の密度の変化では，平衡位置に有意な差が現れないことが確認できた．

　“流体中の粒子の運動シミュレーション”，京都工芸繊維大学，2009年2月．

　【修士論文】

　“微小流路内の粒子の運動に関する数値シミュレーション”，京都工芸繊維大学，2011年2月．

　【国内会議発表】

1. 谷村祐司，福井智宏，森西晃嗣，“重畳格子法を用いた微小血管内流れの数値シミュレーション”，日本機械学会 2010年度 年次大会，No. 10-1，Vol. 6，pp. 117-118，名古屋，2010年9月．