西村 優希  卒業論文:仮想流束法による大動脈弁狭窄症の力学的評価を目指した数値流体シミュレーション
研究概要

 本論文では大動脈弁狭窄症の力学的評価を目指し,大動脈弁まわりの血液流れを模擬し,弁を有する2次元平行平板間流れの解析を行った.基礎方程式にはボルツマン方程式を用い,弁まわりの境界条件には仮想流束法を用いた.まず,2次元平行平板間流れを取り上げ,格子ボルツマン法の信頼性の検証を行った.次に,仮想流束法の妥当性の検証として,流体力によって運動する垂直平板の解析を行った.そして,平行平板間に大動脈弁を模擬した蝶番付きの弁を挿入し,弁まわりの条件を様々に変えて大動脈弁まわりの血液流れの静的解析を行った.その結果,弁の開口面積は大動脈弁狭窄症を評価するパラメータの一つとして利用できることが確認できた.一方で,蝶番長さや弁の角度により,開口面積のみでは評価することが難しいケースがあることも確認し,大動脈弁狭窄症の重症度を客観的に知るためには大動脈弁まわりの血流解析を十分に行う必要があることがわかった.

研究業績等
 【卒業論文】

 “仮想流束法による大動脈弁狭窄症の力学的評価を目指した数値流体シミュレーション”,京都工芸繊維大学,2010年2月.

 

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