村田 和寛  修士論文:ロータを模擬した流体-固体の連成シミュレーション
研究概要

 近年では環境問題やエネルギ不足の問題から自然のエネルギを有効活用する風車が注目されている.設置場所や用途により,風車には適切な形状があり,少しの形状の変化で回転へ大きな影響を与える.特にS型ロータは,抗力型風車の中でも回転効率が悪く,回転を行う初期角度は限られているので,設計の段階でCFDを用いて形状決定をすることは有効である.
 本研究では,最も基本的な形状であるS型ロータの初期角度,回転速度の違いを考察することを目的とする.基礎方程式には2次元非圧縮性ナビエ・ストークス方程式を用い,その計算手法として擬似圧縮性法を用いる.移流項の離散化にはRoeのFDS法とガウスの発散定理を,粘性項の離散化にはガウスの発散定理を二回用いたものを用い,時間微分項にはLU-SGS法を用いた.また,ロータが回転する際に,必要となる格子の再形成が必要のない重畳格子法を用いた.結果として,ロータの振幅比が同じ場合,sinカーブ型,円弧型と比較すると始動時における風上に対しての回転可能な初期角度は同じであったが,回転速度は,円弧型の方が速くなったことから,円弧型の方が形状的に優れていることが分かった.

研究業績等
 【卒業論文】

 “引力や斥力が作用する円柱を過ぎる流れのシミュレーション”,京都工芸繊維大学,2008年2月.

 

 【修士論文】

 “ロータを模擬した流体-固体の連成シミュレーション”,京都工芸繊維大学,2010年2月.

 

 【国内会議発表】

  1. 村田和寛,福井智宏,森西晃嗣,“重畳格子法を用いた抗力型風車のシミュレーション”,日本機械学会 2009年度 年次大会,vol. 7,pp. 83-84,岩手,2009年9月.

 

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